お知らせ
2026.08.06
業界紙(カーゴニュース)への当社記事が掲載されました
QRコード活用し荷待ち・荷役時間を可視化
ニチユ物流 データ解析で物流改善、商慣習見直しも
日油グループの物流業務全般を請け負う物流子会社のニチユ物流(本社・川崎市川崎区、古川英社長)はこのほど、荷主である日油の国内全工場でQRコードと専用端末を活用してトラックの構内滞留時間や荷役時間を可視化するシステムを導入した。ナンバープレートを認識するカメラと連動した車両入退管理システムと組み合わせることで、工場の作業員やドライバーに過度な負荷をかけることなく、時間の記録が可能になる。今後はデータの解析を通じて、商慣習の見直しも含めた物流の改善活動に役立てる考えだ。
できるだけ入力作業少なくし負荷をかけず
改正物流効率化法では、すべての荷主に「荷待ち時間の短縮」「荷役等の時間の短縮」「積載率の向上」が努力義務として課された。また、一定以上の規模の「特定荷主」は物流改善にかかる中長期計画の策定・報告が義務づけられ、これらの項目について実施する措置や目標を記載しなければならない。日油はこの「特定荷主」に該当する。
現状、日油の工場では荷待ち時間がほとんど発生しておらず、トラックが到着した順番に作業を開始し、予約制を中心としたシステムの導入について必要性を感じていなかった。また、早く到着したトラックは極力、構内に入場させ、休憩スペース・時間を提供するなど、構外での待機が発生しないような運用も行っている。
一方で、トラックの構内での滞在時間や荷待ち時間や荷役時間の記録簿を作成しなければならない。工場へのヒアリングでは、できるだけ入力作業を少なくし、負荷をかけずに記録できる仕組みが求められていた。また、工場では危険物も扱っているため、スマートフォンなどのデバイスを使わずに済むシステムを検討した。
カメラでナンバー読み取り入退時間を記録
そこで、シーイーシー(本社・東京都渋谷区、姫野貴社長)が提供する「LogiPull(ロジプル)」をベースにシステムのカスタマイズを行い、ニチユ物流および運送業務を委託する運送会社のドライバーにQRコードを発行。ドライバーがQRコードをタブレットにかざすことで、荷役時間等を自動的に記録する仕組みを構築した。
事前にシステムにQRコードと紐づけた管理番号のほか、運送会社名、車番を登録。ドライバーの氏名や連絡先は任意とする。QRコードは専用のカードに印刷したものや、パウチにしてドライバーに配布。登録された車両は構内に設置したカメラでナンバープレートを読み取り、登録車両のみ認識し、入退時間を自動で記録する。
![]()
端末にQRコードをかざして時間を記録
作業開始時には、構内の入荷・出荷場所に設置している端末の「作業開始」「作業終了」のそれぞれの表示ボタンを押したあとにQRコードをかざすと、作業開始時間と作業終了時間が記録される。入退時間、作業開始と終了時間のデータにより、構内での滞在時間や荷役時間を計測。なお、スポット車両も車番を手入力することでシステムを使うことができる。
3月から試験運用を開始し、4月から本格スタート。4~6月の運用では特段大きな問題は発生していないという。ニチユ物流の小林淳二取締役物流管理部長は、「現状を把握し、さらなる物流改善につなげるきっかけとすることができれば、当社および日油だけでなく、協力会社にとってもメリットのある仕組みとなる」と話す。
今回のシステムの導入により、荷役時間が長い車両について「バラ積み・バラ降ろし」といった要因分析も行えるようになり、個別に手を打てるようになる。改善の余地があれば、既存のシステムを拡張し、予約システムの追加運用も検討する。一連のデータをとることによって、受発注のあり方など商慣習の見直しにもつなげたい考えだ。
![]()
QRコードを印刷したカード (写真の一部を加工して掲載)
カーゴニュース 2026年(令和8年)8月6日 第5458号(第3種郵便物認可)









